1月8日(水)道東テレビ代表の立川彰さんを講師にお呼びし、映像製作教室を行いました。
ひとりひとりが発信力を磨き、映像という武器を身につけようという教室。
13時から20時まで3部構成で行われた本イベントには、長丁場にもかかわらず、総勢約30名の方にご参加いただきました。
立川彰(たちかわあきら)さん
株式会社キロックムービー、株式会社道東テレビ代表。テレビ番組制作のアシスタントディレクターやフリーの映像作家として活動した後、北海道津別町に地域おこし協力隊として移住し、2019年3月には株式会社道東テレビを設立。ビデオグラファーとして町の広報動画を制作し、町の人の活動や魅力を伝えている。またコワーキングスペースJIMBAの運営やキャンピングカーレンタルなど幅広く活動する。
はじめに参加者の皆さんの自己紹介から行いました。
にかほ市のほか、由利本荘市、秋田市、男鹿市、大仙市と遠方からもご参加いただきました。
「GoProやドローンを購入したのでもっと活用したい」「Youtubeチャンネルを開設したので動画の編集方法を学びたい」など、具体的な目的を持った方が多い印象でした。
立川さんはテレビマンとして働いたのち、千葉県船橋市で映像制作会社を設立しました。
あるとき、船橋市と交流のあった北海道津別町から、津別町の移住促進PRになる映像を制作してほしいとの依頼がありました。
映像を作るため津別町を訪れた立川さんに、津別町役場の担当の方が「こっち(津別町)に来ないか?」と声をかけました。
そこで津別町のことを調べてみると、津別を含む道東エリアには映像制作を行う団体がほとんどなく、町の記録が映像として残っていなかったそうです。
ならばと、津別町で映像制作会社を立ち上げるために地域おこし協力隊の制度を利用して移住しました。
当時の役場担当職員の方は移住者の一人でした。
そのとき感じたのは、移住のきっかけには、まちの人の言葉が一番効果的だということ。
きっかけになる言葉を与えるためには、まちの人がまちのことを好きでないといけません。
まちの魅力は何かと考えたとき、たとえば自然が豊かな場所でも、自然が豊かな場所は全国にたくさんあり、そのなかで抜きん出ることは難しい。
地方の固有の魅力は人だとおっしゃっていました。
2019年5月に協力隊の任期を終えた今は、道東テレビで様々な活動を行っています。
道東テレビの主な活動媒体である広報テレビの「タウンニュースつべつ」は、町の生きた情報や、町の人がどんな思いで働いているのかを伝えるインターネットテレビです。
津別町の消防隊員に24時間密着して制作された動画は、15,000回以上再生されました。(私たちの町を守るヒーロー、津別町の消防隊員に密着24時!)
知っているようで知らない、町を支える人たちの活躍を伝えることで、まちへの思いも募ります。
「あなた輝くまちテレビ」という道東テレビのキャッチコピーには、町民ひとりひとりが主役というメッセージが込められているそうです。
タウンニュースつべつはインターネットで発信するメディアのため、映像はFacebookやYoutubeで放映されています。
それらの媒体では高齢者に届きにくいため、町のなかでも病院や道の駅などで行政がモニターを設置して映像を流しています。
病院の待ち時間に映像を見てくれるようになり、今では映像を見るために人が集まるそうで、デジタルサイネージを活用して町に浸透しました。
今では「道東テレビです」と言えば、どこでもアポなしで取材ができるそうです。
また、道東テレビではコワーキングスペースJIMBAの運営も行っています。
動画配信の機材が揃ったスペースや、カフェも併設されており、津別町が行うエリアリノベーションの一環として整備されました。
JIMBAでは毎週金曜日に「シェアバー」という取り組みが行われています。
毎週マスターが変わるバーには、地元の一次産業生産者の方もマスターとして登場したことがあるそう。
立川さんは、移住に至るまでには5つのステップが必要だと考えています。
それは知る→来る→触れる→試す→暮らす。
まずは道東テレビなどを通じて津別のことを知ってもらい、町に来たらシェアバーで町の人と触れる=交流してもらう、という流れを作り出しています。
映像制作パートでは、「VUE」という無料の動画編集アプリを使い、スマートフォンで撮影した動画を加工してニュースを作成しました。
ワンカット撮影の極意(撮り始めと撮り終わりは5秒ずつ静止する)や、「よりひき」と「ふりおち」の活用など、テクニックを教わって実践しました。
この映像製作教室をニュースとしてまとめる、というお題に対し、教室の様子や参加者同士のインタビューを撮影し、それを一本の動画として編集します。
スーパーで字幕をつけたり、ナレーションをつけたり、思い思いの編集を施しました。
そしてできた動画がこちら!
今回の教室を通じ、映像の可能性を大いに感じることができました。
映像が持つ伝える力は、ときに写真や文章も凌駕します。
また、Youtubeなどの発達により、誰もが世界中に発信するチャンスを平等に持っています。
プロパガンダという言葉がありますが、現代は「逆流のプロパガンダ」の時代だと立川さんは考えます。
これまではマスメディアから個人に訴えかけていたものが、近年は技術の進歩によって様々なプラットフォームが整い、個人が誰でも発信できる時代になりました。
個人発信の情報が拡散され、世論をつくっていく。そのチャンスを誰もが平等に持っているのです。
映像メディアであるからには、映像に残す被写体がなければどうにもならない。
これからも映像の仕事を続けていくため、まちににぎわいを生む立川さんの挑戦は続きます。
次回からは、リノベーションのワークショップがスタートします!旧上郷小学校の1階にある放送室を、誰でも気軽に発信できる、スタジオに生まれ変わらせたいと考えています。
皆さんで一緒に、何度も通って発信したくなるようなかっこいいスペースを作りませんか?
ご参加お待ちしております!