にかほのほかに教室04 「伝わってる?あなたの話。〜ラジオパーソナリティから学ぶ、伝わる話し方の極意」を開催しました。

テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明

「にかほのいいところを市民がもっと気軽に発信するようになってほしい!」という思いから、にかほのほかにの元放送室をリノベーションし、発信拠点となっている「スタジオ129いちじく」。(リノベーションの様子はこちらから

ここでは毎週、市民が交代でパーソナリティになる番組、「あなたのおばんです」を制作しています。

番組では、仕事や好きなこと、最近気になっていることなどについてお話しいただくのですが、ラジオで話すという不慣れな状況で「ちゃんと伝わったかな……?」と不安になる方も少なくありません。

そんな悩みにお答えすべく講師にお招きしたのが、大阪のラジオ局FM802でパーソナリティを務める、土井コマキさん。今回は、話すことを仕事にされている土井さんから「伝わる話し方」を学んでいきます。

土井コマキさん/DJ(FM802)

奈良生まれ。2000年1月に、fm802番組アシスタントDJとしてキャリアを本格スタート。 現在のレギュラー番組は、FM802「MIDNIGHT GARAGE」(毎週月曜日24:00-27:00)、FM802「EVENING TAP」(毎週水曜日・木曜日18:00〜21:00)

参加者は8名。にかほ市のほか、秋田市、仙北市からもご参加いただきましたが、当日は暴風雪が吹き荒れるあいにくの天気。遠方にお住まいの方にはzoomを活用してオンラインで参加いただき、大阪にいらっしゃる講師の土井さん、にかほ市の会場を繋いでの「にかほのほかに教室」がスタートしました。

男性の写真のコラージュ

自動的に生成された説明

「伝わる話し方」を習得するためのワークショップ、第一部は「私の〇〇をレコメンド」。

土井さんは、普段のラジオのお仕事でも「自分の好きなものを探しておすすめする」という姿勢を大切にされているとのこと。

それにならって、みなさんにも「好きなもの」についてお話していただきます。

参加者のみなさんに与えられた時間は3分間。一人ずつ身近なものからおすすめのものを紹介してもらいました。

文房具、本、身に着けているものなど、興味深いものがそれぞれから挙げられました。ここで、いくつかのやりとりをご紹介。

参加者Nさん
「わたしが推しているのは、〇〇ボールペンです。色の種類も豊富で、値段も手頃なので気に入っています。ちょうど一昨日、右手首を骨折してしまったんですが、このボールペンは左手で筆圧が弱くても楽に書けることがわかりました。」

土井さん
「とてもわかりやすい話だったんですが、膨らませるとすると…。Nさんはそのボールペンだけじゃなくて、文房具全般が好きなんですか?そうすると、『文房具やさんに行くと、ボールペンってたくさん種類があって、何が違うんだって思うかもしれないんですが、全然違うんですよ。紙質との相性で滲んでしまったりするし、そんななかでもこれは…』というふうに、ほかのものとの比較をすると、より説得力が増すかもしれませんね。自分だけが知るこだわりを話すといいですよ。カタログに載ってる話で終わらないのが、伝わるポイントです。」

参加者Hさん
「私のおすすめはまな板です。これは、今住んでいる家の前の住人の方が残していったものなんです。……少し傷んできたので買い替えたいんですけど、なぜか替えられないんですよね。」

土井さん
「すごくわかりやすかったです。最後の締めくくり方を変えるともっと良くなるかも。
『もの』に宿る記憶や、思い出で締めくくると、より感情が伝わると思います。

たとえば、『このまな板は、使い込まれた跡が感じられて。きっと前の持ち主は、物持ちのいい方だったんだと思います。私も大切に受け継いでいきたいです。』など。

そんな風にアレンジしてラジオ番組に投稿したら、必ず採用されるエピソードになると思います(笑)。」

ものの紹介なので、説明に終始してしまいがちですが、そのものに触れたときの自分の感情を話すようにしてみると、聴いている人に共感してもらえる話になるそうです。

それ以外にも

●文章は短く切ったほうがいい
●情景描写を大切にすると、気持ちがより伝わりやすくなる

など、それぞれの方のお話へのアドバイスには学びがたくさん。

参加者のみなさんにお話いただいたあとに、今度は土井さんから、お手本をお話しいただきました。

土井さんのおすすめは、「メガネ」。やはりプロのお仕事。笑いどころも織り交ぜられたお話に、参加者からも拍手が起こりました。

土井さんからたくさんのコツを聞いたところで、ワークショップ第二部へ。

ここでは、にかほのほかにの名前の由来である「にかほの魅力をほかの地域に伝える」。これをみなさんにもやっていただきました。

「みなさんのまちの魅力ってなんですか?」

この質問をすると、「人があったかい」とか「自然が豊か」という答えが返ってくることがよくあります。でも、どこの人もあったかいし、自然が豊かなところってたくさんあるんですよね。

ありきたりな話を「伝わる話」にするにはどうしたらいいのでしょうか?

ポイントは「もの」の紹介のときと同じ。紹介だけで終わらず、ご自身のエピソードを話すほうがいい、とのこと。しかも、エピソードは些細なほど、共感を生みやすいんだそうです。

そして、今回のワークショップの宿題として、みなさんには「まちのよさ」について3分程度のお話を録音してもらうことに。
何について話そうかな、と真剣に考えてくださるみなさん。

そうして、締めくくられたにかほのほかに教室から1週間後。
みなさんから続々と提出された課題を、ラジオ番組風に編集しました。

にかほのほかに教室04宿題ラジオ「あなたのまちの魅力、おしえてくださ〜い!」は、こちらから聴くことができます。


誰でも簡単に情報を発信できる時代。
だからこそ、たくさんの情報のなかで埋もれずに、伝えたいことを伝えるのが難しくも感じられます。

そこで大切になってくるのが、効果的な伝え方。土井さんのお話にはたくさんのヒントがありました。

にかほのほかにで取り組んでいるインターネットラジオのように、声で届けるメディアも主流になりつつあります。これを機に、にかほ市のみなさんでも声を使った発信を行う人が増えてほしいです。

にかほ市に暮らすみなさんが、もっと自由にもっと活発に発信できるよう、これからも取り組んでいきたいと思います。土井さん、ありがとうございました!

(文・國重咲季)